精神が、って事だと思うんですが

最近、宮沢賢治氏の本を読んでみたノミ汰です、ごきげんよう。

図書館でちょいと目に入って、文庫本サイズの全集の中から適当に一冊借りてみたりしたのですが。
この人の作品を読んで、いつも思うのが擬音や物の表現が面白い人だなぁ、と。
まるで山や谷が人のよう、学校で習った言い方をすれば擬人化(でいいん、だっけ?;)を使った方法で表現していて、
あんまり記憶力がよろしくないノミ汰でも文中の擬音や一節が残ってたりします。
それは純粋に凄い事だなぁ、と。一応文書きなので、そんな人に残るような話や文をちょっとでも書きたいとも思ったり。

そうそう、余談ですがノミ汰は小説家なら太宰治氏が好きです、暗くて(えー 素で全集が欲しいぐらい。
んで先日テレビをぼんやり見ていたら、よく分かりませんが芸能人の方々が自分の好きな小説の主人公をちょっと演じる~みたいな番組がやっていて、
特に気にする事もなく見ていたら、なんとテロップに太宰治氏の「人間失格」が。
そして見ていると主人公「葉蔵」に扮したウエンツ瑛士氏が。
あの、WaT(つっても最近の邦楽に疎いんでよく知らない)のWの方が。

…いや、それは別にいいんですけど。「葉蔵」を演じるのは、いいんですけど。

「人間失格」の一節に「その頃、既に自分は、女中や下男から、哀しい事を教えられ、犯されていました。」というのがあるんですが。
この件のウエンツ瑛士氏の解釈に、イラッときました^^
ちょ^^ おま^^ 性的虐待ではないだろう^^
太宰氏に顔向け出来ない^^この度はウエンツが^^

さて下は全然関係ないなつき+舞衣小ネタですいやっふぅ(唐突だな)





クールビューティと名高い玖我なつきは、静かな中庭の一角に昼の騒がしさから隠れるようにして座り、その端整な顔を歪めていた。
原因は。

口の中が痛い。

購買で適当に見繕った惣菜パンを食べようと口を開ける度、そして苦心して咀嚼する度、無理して流し込もうと紙パックのジュースを飲む度に痛む。
こうなったのも、体育の授業中に予期せずして男子が投げた大暴投のバスケットボールが飛んで来たせいで。
あまりにも不意だったせいで避けそこない、辛うじて腕でガードしたもののあまりの勢いの良さと衝撃に口の中が切れた。
結構時間が経っているにも関らず、ずきずきと痛むそこに舌をあてがうとまだ僅かに鉄の味がする。
そして一際大きい痛みにぐっと唇を噛み締め、ひたすら痛みがひいていくまで耐えて。
舌打ちしたくなるが、そうすればまた痛むのは目に見えている。
しょうがなく、はー…っと苛立ちが篭った溜息を吐いた。
誰にぶつける訳もなく苛々だけが募る。出来れば午後の授業が始まるまでには少しは治まってもらいたいのだが。
治まらないなら、このままどこかへサボろうかとも思うほど。

「あ、こんなとこに!」
「あぁ?」

掛けられた声に反射的に苛ついた声が出る。我ながら、中々低く威嚇めいた声に、しまったと思う。
見知らぬ人間に不必要な恐怖を覚えられるのは嫌だし、それに相手によっては因縁をつけてくる奴も居るだろう。
だが見覚えがあり過ぎる姿にそんな考えはどこかへとなくなる。

「やーっと見つけた」
「…舞衣」

授業まで、出来れば会いたくなかったのだが。
一人で居る内に多少萎んでいた罰の悪い気持ちがむくむくと大きくなり、そろそろと逃げたくなるが、見つかってしまった以上、彼女はそれを許してくれないだろう。

「ほんっと、なつきってば隠れるの上手いんだから」

よいしょ、と隣に座る舞衣を見れば、微かに汗が滲んでいて。疑問に思ったが、それよりますます罰の悪い気持ちが大きくなる。
こういう時、何か上手い事言えたらとも思うが、そうだったら今こんな事にはなっていなくて。
結局何も言えずに視線を空へとやるのが精一杯だった。

「なつき」
「…」
「なつきってば」

一度背けてしまった視線を再び元に戻すのは出来なくて、それと同じに呼びかけに応えるのも出来ない。
こうなる事がなんとなしに分かっていたから会いたくなかったのに。
いつまでも呼びかけに反応しない自分に痺れを切らしてか、怒ったような息を舞衣は吐き、ぐいっと引っ張られた。

「もう、なつき!」

無理矢理合わされた視線の先には、不機嫌な顔をした舞衣。

「…なんだ」

そんな舞衣の顔を見続け、そしてそんな舞衣に見つめ続けられるのは、ものすごく居心地が悪い。
そのまま数秒ほど経ち、みるみる内に不機嫌な顔からひどく心配そうな顔になる。

「―傷、本当に平気?」

こいつのこういう顔が見たく無いから、逃げてたのに。

「平気だ。言ったろ?」

それでも舞衣の表情が晴れる事はなく、むしろ曇っていくように見える。
こいつの事だからまた何か色々考えてるんだろうな。別に、そんなの考えなくたっていいのに。

「血だって出てたみたいだし」

それはまあ、一応切ったし。

「痛そうだったし」

直後だったからな。

「それに、あの時あたしが後ろに――」

それは。

「あれは私が避けられなかっただけだ」

突然の事だったとは言え、油断しきっていた自分が悪い。少し前の自分なら、あれぐらいのボールは避けるか捕れるか、最低でも叩き落すぐらい出来て当然だった筈だ。
前より確実に運動量は落ちているとは言え、それでもある程度は動いたりしていたのだが。
こんな様だから、奈緒に「あんた本当に平和ボケしてるわよね」と呆れた風に言われてしまうのだろう。
そんな事を考えながら見つめていた舞衣の顔はまだというか、やっぱりというか、曇ったままだ。
全く。
にぎゅ。

「い、いひゃい」
「何度も言うが、あれは私の不注意だ。だから、何時までもそんな顔してるな」

柔らかい頬を抓んで、いいな、と言い聞かせるように軽く引っ張る。

「わ、分かっひゃ…」
「ん。ならいい」

ぱっと手を離すと、抓まれていた頬に違和感でもあるのか、いまいち納得のいかない表情をしながら手でぐにぐにと舞衣は触る。
それを一頻りやり終えると、そのまま納得としていない表情のまま舞衣が息を吐く。

「なつきって変なとこが頑固っていうかなんていうか…」

頑固とはなんだ、頑固とは。
ぎろり、と睨むがその表情は変わらずで、だってそうじゃない、とでも言わんばかりに舞衣はこちらを見てくる。
元から口が上手い方ではない自分が言い返しても、しょうがないと、残り少ないジュースをストローで啜る。
と。

「っ!」
「なつき!?」

忘れかけていたが、そういえば口の中が切れてるんだった。慌てた舞衣の声が聞こえたが、正直取り繕う余裕が無い。
来る、と覚悟していた訳じゃない痛みは、どうしようもなくて。
ただ痛みがさっさと引いてくれるのを待つしかない。
唇を噛み締めてそれに耐えていると、不意にぐっと引き寄せられた。

「ごめん、痛いかもしれないけど口開けて?」

言われるがままに口を開く。ずきっと走る痛みに、今更ながら自分が素直に口を開けた事を不思議に思う。
そんな事を考えていると、舞衣は探るように口の中に視線を彷徨わすと、どこからかごくごく小さなチューブを取り出してそのキャップを外す。
歯磨き粉の様にチューブから押し出された灰色く濁ったそれは、ほんの少し舞衣の指に乗る。
それを何するのかと思えば、すっと口の中、傷のある方へと塗られた。

「いっ…」

想像するに薬品であろう物が痛いのではなく、塗られるその行為が傷を刺激して痛い。
多分に舞衣もなるべく傷を刺激しないようにやってくれているのだろうが、やはり痛いものは痛い。
だが口を閉じてしまう訳にもいかず、眉間と手に力を込めることで留め、終わるのを待つ。

「ん…いい、かな?」

舞衣はそっと指を話し、確認するように小首を傾げて覗き込むと、どうやら出来たらしい。
もういいだろう、と開けた口を閉じていると、舞衣が少し眉を寄せて尋ねてくる。

「どう?」

むぐ、と口を少し動かすと、やはり何か違和感を感じて。そこを恐る恐る舌で触れてみる。
無味の薬なのか苦くもないそこは、舌に押されて微かに痛んだものの、耐えられないほどではなくなっていた。

「ん…まあ。マシになった」
「本当?良かった」

ほっと舞衣は息つくと、安心したように微笑む。
やっと笑った。
その事を告げようかと思ったが、丁度その時昼休み終了の鐘が鳴る。授業はすぐだ。
出るならさっさと教室に戻らなければならないのだが、ふむ、と思案する。

「さて、私は「はい教室戻るよ」

どちらかと言えばサボる方に傾きかけていた心情を敏感に察したのか、舞衣は私の手をぱしっと掴んで、そのまま教室へと歩き出す。

「ちょ、おい」
「駄ー目。単位足りなくなったりしたらどうすんのよ」
「私はちゃんと計算してだな」
「そんな事言っててまーた補習なんかになったら笑えないでしょ」
「…や、それはそうだが」

どうやら、手を離してくれる気は無いようで。
もう授業に出るしかないな、と観念しながら、ふと苛立ちと痛みがもうすっかり無くなっている事に気付いた。
これも薬の効果か、とぼんやり思いながらなつきは、急ぐ舞衣と歩調を合わすべく歩みを早めた。







ぼんやりと小ネタをやろうと思っていた筈なのに、出来上がったのはなんとも微妙な長さと質でした。
…ううむ。

本当は薬の効果じゃなく鴇羽さん効果で玖我さんの苛立ちと痛みが無くなったとかそんな妄想超特急な感じにしたかったのですが…。
見事に出来て無い感がそこはかとくなく漂っていますね。
ふと思いましたがボール投げた男子は学園のなつきファンの生徒諸君にボッコボコにされてそうだな。
多分舞衣は投げた男子にキレたりするんじゃなく、一番に心配して本人にいち早く声を掛けるタイプと見た。
なつきだったら投げた男子にぷつんっとキレてあぁ?ってやってからすぐに本人に声を掛けるタイプだろうか(どうでもいいよ)

精進精進。



そしておまけっぽい会話を載せてみたり。

以下、教室へと向かう玖我さんと鴇羽さんの会話

「そういえば、なんでお前そんなの持ってたんだ?」
「ああ、これ?陽子先生からもらったの」
「?口内炎でも出来てたのか?」
「ううん。ちゃんと治療してもらった方がいいって言ったのに、なつきどっか行っちゃうんだもん」

『あら、じゃあ玖我さんどっか行っちゃったの?』
『はい。別にこれぐらい平気だとか何とか言っちゃって。だから見つけ次第、ここに連れてきますね』
『あ、ちょっと待って。はい、これ』
『なんですか?これ』
『口内炎とかに塗るやつあるでしょ?それよ。玖我さんここに来るの嫌がるでしょうから、見つけたらそれ塗ってあげて?』

「って言うわけ。もー、見つけるの苦労したよ?」
「…もしかして、お前昼休み中ずっと、その、探してくれてたのか?」
「うん。だって早い方がいいでしょ、こういうの」

そして玖我さん、俯いて赤面。鴇羽さんはその時ぼんやりお腹減ったなぁ、とか思ってればいい、よ。
それとここだけの話しですが、最初はちゅーさせようかなとかも思ってたりしますた。
でもそうするとあんまりに玖我さんと鴇羽さんが乙女過ぎて恥ずかしくって耐えられませんでした(ティキンめ!)

会話だけでも、砂吐きそうになるし。





以下、何時までも自責の念に囚われている鴇羽さんとこっ恥ずかしい玖我さんの会話

「…じゃあ、その、…してくれたら、治る」
「え?ごめん、聞こえなかった」
「だから、だな。その…」(大きい声じゃとても言えない玖我さん。耳元で)
「え、えぇ!?こ、ここで?」(聞いた鴇羽さん顔真っ赤)
「…」(こっくりと頷く玖我さんも顔真っ赤)

双方顔真っ赤にしながら沈黙

「い、嫌ならその、いいんだ!すまなか――」

再び沈黙

「…ちょっとは、痛くなくなった?」
「あ、ああ」



うおう、甘すぎて別人すぎ。そして嗜好丸出し。そんな二人もノミ汰は大好きなn
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by nominingen | 2007-09-26 23:20 | 雑記


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