Re


あるボツ文章から一部分をぶったぎって再構築して短文に再利用。
いつものみんな。とても文章もタイトルも短い。

よろしければどうぞ







縁側でルナとアルテミスがひとときの午睡を楽しむ、いつもの平和な神社。
いつもの集まり。いつもの勉強会。

が、しかし今日に限って一人だけは遅れてきていた。

みんなとは違う問題集を決めていた分だけ亜美は解き終わると、
気づかない間にほんの少しずり落ちていた眼鏡を直して、目の休憩がてら部屋に視線をやる。
この部屋の主であるレイは学校の課題を一生懸命にやっていた。
勉強会を始める前、いつもより憂欝そうに取り組もうとしていたから、聞いてみると、
苦手な現代社会なのだと言う。
もう見るのも嫌、と言わんばかりの顔だったけれど、それでもこちらに助けを求める訳でもない。
頭を悩ましながら自分の力でやり遂げようとしているのが見て取れた。なんともレイらしい。

それで、と視線を動かす。

一人はペンで頭をかき、むうと唇を突き出しながらじっと問題を見てはいるが、
切れかかった集中力に比例するように赤いリボンがしょげている。
もう一人はうう、とうめきながらも問題を見ては恋しそうに空中を見つめる。
そうして幸せそうに顔を緩ませたかと思うと、ぶんぶんと勢いよく長いツインテールを振って、
またふりだしに戻るといった所か。
そろそろ限界かしら、と亜美は小さく笑う。
いつもなら、見かねた彼女が休憩だと言って手作りのお菓子を取り出している頃なのだけれど。
ね、と遠慮がちに口を開く。察した二人はぱっと笑顔を浮かべて、一人はもうそんな時間?と驚いて。
私は彼女と目を見合わせて、笑う。

私は瞼を閉じ、そして再認識する。
日々の時間に埋もれる事実。
たとえ一時忘却の波に隠されたとしても、消えることのない事実。

「――ごめんっ。遅くなって」
「「まこちゃんっ!」」

声に瞼を開けると、そこにはやっぱり笑顔を浮かべたうさぎちゃんと美奈子ちゃんがいて。
甘いお菓子の香りに歓声をあげた二人を見て、やれやれと肩を下げ、微笑むレイちゃんがいて。
そして私は、二人に挟まれたまこちゃんと目を見合わせて。
ペンを置き。本を閉じて。眼鏡を外し。
勉強は一旦おしまいにして、さあ。

「お茶にしましょうか」

と、五人みんなで、笑った。







一人でも欠けると、いつもじゃなくなるんだよねって、
一人で頻繁に再認識してるといいなー、と

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by nominingen | 2012-09-01 01:15 | 内部


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